オリンピックで行われる競技「バレーボール」および「ビーチバレー」 についての基礎知識を紹介します。
どんな競技?
試合人数
バレーボールは6対6の計12名、2チームで争われる団体競技(チームスポーツ)で、控え選手を含めて1チームあたり最大14名です。
ビーチバレーは2対2の計4名、2チームで争われる団体競技(チームスポーツ)です。控え選手はありません。
概要
バレーボール競技は、ネットで分けられたコートで、対峙した2つのチームにより行われます。2つのチームは、自陣のコートにボールを落とすことなく、ボールへの接触が3回以内で相手コートに返球し合います。返球する時には、主に手や腕を使用します。
バレーボールは1895年、ウィリアム・モルガンの考案により、アメリカで誕生しました。テニスからヒントをもらい、大勢の人で老若男女問わず楽しめるスポーツとしてバレーボールが生まれました。また、ビーチバレーは、1920年代にアメリカのビーチレジャーとして始まったのが発祥とされています。
勝敗の決着方法
ボールがコート内に落ちるか、ボールがアウトになるか、正しく返球できなくなるか、いずれかのチームが反則を犯すかペナルティーを受けるまで、ラリーが続けられます。このラリーに競り勝った場合、チームに1点が追加されます。
試合はラリーポイント制で行われます。 サーブをしたチームがラリーに勝つと1点を得て、次もサーブを続けることができます。サーブレシーブをしたチームがラリーに勝つと1点を得て、次にサーブができる権利(サーブ権)も獲得できます。
バレーボール種目
1試合5セットマッチで行われ、3セットを先取したチームが勝利となります。1つのセットは、(最終第5セットを除いて)2点差以上をつけて25点を先取したチームがセットを獲得できます。
セットカウントが2対2となった場合、最終第5セットは2点差以上をつけて15点を先取したチームが勝利チームとなります。
また、各セットで24対24(最終第5セットでは14-14)になった場合は、どちらかが先に2点差をつけるまでセットが続けられます。
ビーチバレーボール種目
バレーボールとはセット数と先取点が違い、1試合3セットマッチで行われ、2点差以上をつけて21点(最終第3セットでは15点)を先取したチームがセットを獲得できます。
種目別の特徴
バレーボール種目
1チーム6人でプレーをします。
守備を専門とするプレーヤー「リベロ」を1人登録することができます。リベロは後衛のプレーヤーとしてのみ試合に参加し、後衛にいるどのプレーヤーとも交代することができます。前衛として参加することや、サーブ、ブロックをすることはできません。リベロはその他のプレーヤーと異なった色のユニフォームを着用します。
サーブ権を持たないチームがラリーを制した場合は、時計回りに1つずつポジションを移動する「ローテーション」を行います。サーブ権を持つチームがラリーを制した場合、得点は入りますがローテーションは行わず、同じサーバーがサービスを行います。
ビーチバレー種目
1チーム2人でプレーをします。
ビーチバレーのコートは、砂の上に設けられます。選手はショートパンツまたは水着を着用し、シャツは、ジャージまたはタンクトップを着用することもできます。また、帽子をかぶったり、サングラスをかけたりすることもできます。
さらに、バレーボールとは異なるルールがいくつかあります。
- 掌を開いた状態での指の腹を使用したフェイントが禁止されています。
- チョップ、グーの状態や指を曲げた状態、手の甲を使ったフェイントなどは認められています。
- オーバーハンドパスで相手コートにボールを返す際は、肩の線に直角方向以外への返球は反則です。
- サービスや強打でないボールをオーバーハンドでレシーブすると反則です。
日本におけるバレーボール競技
バレーボール種目
1962年の世界選手権と1964年の東京オリンピックにおいて、女子代表が金メダルを獲得ました。当時は柔道の受け身に似た回転レシーブや、手元で微妙に揺れる変化球サーブを駆使して相手チームを圧倒し、「東洋の魔女」と呼ばれていました。旧ソ連との優勝決定戦では視聴率66.8%を記録し、スポーツ中継としては歴代最高となっています。
2012年のロンドンオリンピックでは、女子は出場権を獲得、男子代表は、2012年5月の世界最終予選において4位だったため、オリンピックの出場権を獲得することができませんでした。
女子代表は2008年の北京オリンピックで銅メダルを獲得した中国に勝ち、1988年のソウルオリンピック以来24年ぶりのベスト4へ進出しており、メダル獲得に大きな期待がかかっていました。結果は銅メダル獲得で喜びをもって伝えられました。
リオ五輪もロンドン五輪と同じく、女子は出場決定、男子は出場権を逃しました。女子代表は前回よりもいい色のメダル獲得に期待がかかります。
ビーチバレー種目
日本では川合俊一らが先駆となり、1987年に、第1回ビーチバレージャパンが開催されたのをきっかけに、ビーチバレーが広く認知されるようになりました。
オリンピックには女子が1996年のアトランタ大会以降連続出場しており、1996年のアトランタオリンピックでは高橋有紀子・藤田幸子組が5位、2000年のシドニーオリンピックでは高橋有紀子・佐伯美香組が4位に入賞しています。
現在では、2004年にビーチバレーに転向した浅尾美和がモデルなどの活動を通して、これまでビーチバレーに関心の低かった層からも大きな注目を集めています。
男子代表は、2012年6月に行われたアジア大陸カップにて優勝し、ロンドンオリンピックの出場枠1を獲得。日本国内の代表選考会において、朝日健太郎選手・白鳥勝浩選手のペアが代表権を勝ち取りました。しかし、ロンドンオリンピックは全敗という結果で幕を閉じます。リオ五輪も出場権を逃しています。
女子代表は、ビーチバレーが正式種目となった1996年のアトランタオリンピック以来、4大会連続で出場枠を獲得してきました。しかし、2012年6月に行われたアジア大陸カップにて5位となってしまい、オリンピックには出場できず。2016年のリオ五輪も出場権を逃しています。
リオ五輪、絶対的エース!
木村沙織(きむら・さおり)
「絶対的エース」と呼ばれる木村選手。現在キャプテンを務め、その上性格もちょっと天然で顔も可愛いというかなりスター性のある選手です。
ほんわかした雰囲気で体育会系という感じはあまりないですが、それが逆にチームを癒やしているもよう。付いて行きたいタイプというよりは周りが支えてあげたくなるようなタイプです。新たな時代のリーダーに期待!